会議 | 令和元年12月熟年者支援特別委員会-12月16日-07号 |
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日付 | 令和元年12月16日(月) |
開会 | 午前10時00分 |
閉会 | 午前10時54分 |
場所 | 第4委員会室 |
案件 | 1 調査案件の振り返りと意見交換 |
【7月の熟年者支援の取組みと課題について】
◆間宮由美 委員 調査案件の振り返りをするに当たり、改めて7月の熟年者支援の取組みと課題についてお話しいただいたことを読み返しました。それから5カ月がたちますが、改めて江戸川区の熟年支援の取組みが縦横にはられているんだということを実感をしております。そして、その高齢者施策、熟年者支援をより充実したものにしていく、効果を上げていくためにどうしたらよいかということを考えながらまいりました。
そこのキーポイントとして、熟年になる前、高齢者になる前からの取組みに焦点を当てる。そこが大切ではないかと思った次第です。例えば、介護予防日常生活支援総合事業のご報告がありました。その中で、口腔ケア健診を昨年から実施をしていただいているということで、口腔機能を整えることで健康寿命が延伸するということが学界的にも示されているということ、このご報告がありました。それで、江戸川区の歯科医師会では単なる歯の治療ということにとどまらずに、口全体の口腔機能のメンテナンスをしようという、そういう意識にかわっているということでした。
例えば、ここがわかりやすいんじゃないかと思うんです。ここなんだと思うんです。子どもの虐待をキャッチする指標として、余りに多い虫歯や口の中の状態があるということを言われて久しくなります。昨日、少年院のお医者さんとお話をしました。少年院に来る子たちの多くが虫歯だらけであって、歯がなかったりする子、歯がない子も随分たくさんいるのだというお話を聞いたんですね。この子たちもいつかは高齢者になります。そのときに、さあそのときに口腔ケアをしましょうでは、もう遅いこともあると思うんです。だから、高齢になる前からの口腔ケア、それはもう子どものときからなんじゃないかなと思うわけです。
別の視点から見ますと、江戸川区の要介護認定の1号被保険者の認定率が16.9%で、23区の中で一番低いというご報告がありました。その背景に、江戸川区の生きがい施策が少なからず影響を与えているのではないかとして、くすのきクラブ、シルバー人材センター、くすのきカルチャー教室などについてご説明がありました。これは少なからずではなくて、私は非常に大きな役割を果たしているのだと思っています。だからこそ、それらをさらに進めていくためにどうするのかということを考えていく必要があるんではないかと思ったんです。例えば、くすのきクラブの加入を勧めるためにどうしたらよいかということを考えたときに、さあ高齢になったから入りましょうでは、なかなか加入しづらいのではないかと思うんですね。例えばまた、高齢になったからさあ健康寿命を延ばしましょうという意識してもらうというのも、これも実はその予防の医学の観点から、予防の3段階ということをご説明いただきましたが、これについてもやはり子どものときから考えていく。これが健康寿命を延ばす、高齢になったときに健康寿命を延ばすことにつながっていくのではないかと思います。
ですから、高齢になるずっと前から、今暮らしている地域で町会や自治会活動、また青年会やPTAやボランティア活動などのさまざまな活動を通して、そこに触れていくことが、高齢になってからのくすのきの加入にもつながる。健康寿命を自分でも考えることにつながる。あるいは、ボランティア活動を行うことにもつながる。カルチャー教室にも通うことにもつながる。そういったことになるのではないかと思います。ですから、高齢になってからさあ始めましょうではなくて、その前から、そのずっと前の子どものときから地域と結ぶ。また、あるいは虐待を受けさせない。そういったことを有機的につなげていくことが、今行っている高齢者施策をより有効に進めていくことにつながっていくのではないかと考えました。
日本高齢学会から提唱されたフレイル予防の事業についてもご説明いただきました。虚弱ではなくフレイルと愛称的に呼ぶことになった背景には、体のことだけではなくて、精神的なもの、社会性も含めようとなったということでした。それを地域でも行っている現場として、南小岩会館への視察に伺わせていただいたわけですが、非常に大切な取組みだと思いました。あそこに来られるようになるためにも、やはりその前からの地域とのつながりをずっと前から念頭に置いておく、そういったことが必要ではないかと思います。
もう一つは、介護の関係です。高齢者虐待についてご説明いただいた中で、非常に問題になっており、児童虐待に匹敵する人数やケースがあるとご説明がありました。しかし、8050の中での依存、共依存などもあって見えづらいというご報告もございました。これについては、リーフレットも作成して専門家の方々に、またその後、区民の皆さんにも通報の啓発をしているということで、通報件数もこの3年間でも増えているというご報告をいただいたところです。重篤なケースについて、私も介護保険課へ、また熟年相談室へご相談に行きまして、一緒に解決に向かっていただいています。一方、対応中の件数は500件を超えているということも言われました。虐待については起きてからの対応とともに、やはり予防に力を置くということが大切ではないかと思うんです。
そこで、最後になりますがお聞きしたいことが2点ございます。起きてからのまず対応として、熟年相談室がキーパーソン的役割を果たしてくれていますが、熟年相談室によって、それぞれの相談室によって虐待についての対応については熱さが違うというのでしょうか、そう思うことがあります。江戸川区についてはそこについて、どう捉えておられますでしょうか。
また、区の介護保険課には高齢者虐待に特化した専門的にそこをわかってくださっている方が、対応してくださる方がいるとも聞いていますが、これはケアマネさんたちから聞いたところでは、何かお二人ぐらいしかいらっしゃらないというようなことを聞いたんですが、ここは実際のところどうなっていますか。虐待に特化して対応する。もちろん全てのところでなんですが、やはりそこに特化して考えられる人を増やすこと、また、熟年相談室の人数を増やすことというのは、大切なことだと思うのですが、そこについてはどうお考えでしょうか。また、もう一つは予防、高齢者虐待を起こさせないための予防については、江戸川区としては今どのように考えておられるか、お聞かせいただければと思います。
◎坂本崇一郎 介護保険課長 高齢者の虐待に対してのお話でございますけども、まず、熟年相談室が一義的に事実確認から対応までを行ってまいります。さらに、非常に重篤なケースで措置が必要なようなケースの場合には、介護保険課が前面に立つということになっておりますけれども、熟年相談室間の程度の差というんですかね、そんなお話であったかと思います。これを埋めていくこと、これが非常に重要だと思っております。当然下にではなく上に引き上げていって同じようなレベルにそろえていくということのために、例えば専門ケア会議といった名前でございますけれども、弁護士とか臨床心理士をお招きをして、幾つかの熟年相談室をまとめてケース会議みたいなことを定期的に行っております。そこでほかの熟年相談室の対応の状況なんかも一緒に議論をすることで高めあっていくと、結果的に研修のような形にもなっているというふうなことも行っているところでございます。
また、その介護保険課に専門の職員が2人しかというのは、それは誤解でありまして、介護保険課の相談係という係が対応しております。そこには、いわゆる多分そういうふうにおっしゃったのは、保健師が1人と、それから介護指導職が1人おりまして、その人たちを専門職という言い方をしたかと思いますが、それ以外に福祉の職であるとか、一般事務であっても、経験を積んだ職員がおります。大体7、8人ぐらいのチームで対応しておりますので、しっかりと対応はできているかなというふうに考えております。ですので、熟年相談室と介護保険課の職員、それぞれ役割分担と協力をしながら取り組んでいるところでございますので、これ対応件数が増えていけば、それなりの人的な措置もということはあるかもしれませんけれども、今は対応ができているかなというふうに考えているところでございます。
また、もう一点の予防についての話でありますけれども、おっしゃるとおりでございます。啓発をして早期に発見をしていくということは、これは当然なんでございますけれども、その発見の前に起こらないということがメインでありますので、ここはまさにその適切な介護サービスが早い段階で届けられる状況、早いうちに芽をつめるというんですかね、ということが重要でありますので、ここもやはり熟年相談室、または8050のような複合的な課題を抱えているご家庭が多うございますので、なごみの家や健康サポートセンター、あらゆるところでそれをアンテナを高くしていくということが重要だというふうに考えてございます。
◆間宮由美 委員 幾つかの熟年相談室をまとめながらの専門ケア会議などを開かれているということ、また、区の中でもチームとして対応できる体制が整っているということで、非常にそこをぜひ伸ばしていっていただきたいと思った次第です。ケアマネさんもキャッチできる人、またキャッチできない人、まちまちいらっしゃいます。先日も介護保険課へご相談に伺いましたが、このままでは事件が起こるほどの緊迫した状態のご家庭があって、でもケアマネさんは、そこについては捉えられていなかったんですね。ですから、ケアマネさんへの助言など含めて、熟年相談室が非常に大切な役割であると思いますので、人的配置、今は対応できているというふうに捉えていらっしゃるようですけれども、やはりそこについては児童虐待にも匹敵するほどの件数ではないだろうかと思われているとしたらば、やはり人的配置については、今から考えていただきたいと思います。先ほどの専門ケア会議ですね。これをさらに充実させていただくことが、本当にこれから大切になってくると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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