アロハ・ビズの日の文教委員会のこと。
教育委員会は、丁寧にお答えくださいました。でも、質問をしながらのメモなので、要点のみ。ご容赦ください。
出されている6本の陳情について審査をしました。
■118号の2【区内の子どもが健全な集団生活を送れるよう求める陳情】‥‥‥‥‥‥マスク着用は自由選択に
陳情原文には、「いまだに小中学校では、過剰な感染対策を講じ、実質強制に近い状況でマスクの徹底・黙食を続けさせる必要はあるのでしょうか。」とあります。
マスクの着用、黙食を続けることが、過剰な感染対策であるのかどうか、ということの検証が求められていると考えます。
本日は、黙食について、考えてみたいと思います。
現在、学校では、黙食の徹底がされています。ところが、学校での感染者は、全体の感染者数に比例して、毎日のように増え続けています。
では、黙食は、果たして有効に機能しているのでしょうか。もし、黙食ではなく、お話ししながら楽しく給食を食べたとしたら、感染はもっと増えるのでしょうか。
教育委員会としてはどのようにお考えになっているでしょうか。お聞かせください。
A : 今の爆発的な感染を考えると、今できることはやる必要があると考える。
私もそう思います。資料でまとめていただいたように、WHOもCDCも国立感染症研究所も、口や鼻から出されたウイルスを含む粒子を吸い込むことで感染する「エアロゾル感染」について言及しています。
ですから、感染している子がマスクをせずにおしゃべりしていれば、特に給食中は、感染リスクが大きくなるだろうと、思います。
しかし、そうは言っても、という思いが一方ではあると思います。
おとなは外で会食しているのに、学校ではなんで黙って食べないといけないの?
君たち子どもを感染から守るためだよ、と言っても、なんだか引っかかる。
それなら、毎朝抗原検査をして、全員陰性を確認して、そうして、自由に学校内で過ごせるようにしたらどうでしょう。
抗原検査のキットが、安くて入るようになれば、そうしてあげたいと思うほど、子どもたちの自由な時間が奪われていることに、胸が痛みます。
例えば、月に一回そういう日を設けるとか。
これからまだコロナ禍が長引くのであれば、そういうことも必要になるかもしれませんね。
子どもたちの黙食について、今後の見通しについて、お聞かせいただいて、本日は終わりにしたいと思います。
A : コロナ感染者の推移を見て、夏休み明けのことは考えたい。
■119号の2【子どもたちの未来を守る、給食への有機食材導入に関する陳情】‥‥‥‥有機農産物の食材導入を
いただいた資料には、「日米韓における自閉症、ADHDなど発達障害児の急増は、遺伝要因でなく、環境要因が主な原因であることが確定的となってきた。」と書かれています。
続けて、その環境要因は多様だが、発達障害の増加には、農薬などの環境化学物質汚染が疑われるということ。胎児期、小児期における多種類の環境化学物質の曝露は、脳発達に重要な神経情報伝達系、ホルモン系、免疫系の撹乱や特定の神経回路(シナプス)が形成異常を起こし発達障害を発症すると考えられるとあります。
これは、公益財団法人東京都医学総合研究所子どもの脳プロジェクトと、環境脳神経科学情報センターの方が書かれた論文ですね。
この論文について、教育委員会としてはどのように捉えておられますか。
A:あくまでも学会で発表されたものではある。国、都の見解を待ちたい。
確かにそうですね。しかし、化学物質が脳や心に影響するという研究はかなり進められてもいます。
有機野菜を利用している自治体の状況を資料としていただきました。
一番多いのは、港区の小学校では、61.1%、中学校で70%とあります。
江戸川区を見ると、小学校では10校14.3%、中学校では4校12.1%とあります。
この割合は、区内の学校全体の中で、有機農産物を利用している学校数がいくつあるかという割合だと思われます。
カウントの仕方ですが、年間で一度でも使っているば、使用学校数に1とカウントされるのでしょうか
それでは、実際に、それぞれの学校では、給食全体の中でどのくらいの割合で、有機野菜を使っているのでしょうか。
A:年1回でも、使っていれば、1とカウントしている。
調査していないので不明。
では、それらの学校は、なぜ、有機野菜を使うことができているのでしょうか。そのことはお分かりでしょうか。
A: 問題点は2つあると思う。値段と販路。利用できている学校は、販路が得られているのだと思われる。
では、ぜひ、次の時までに調査をお願いします。
有機野菜を利用している学校は、小学校10校、中学校4校ですから、なぜ、有機野菜を使うことができているのか、年間で何回ぐらい使っているのか、そのことが分かれば、他に広げることもできるかもしれません。
ぜひ調査をお願いします。
■120号【小中学校の給食の充実と保護者の負担軽減を求める陳情】‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥給食費の保護者軽減を
給食費の変遷についての資料をいただきました。
昭和48年にはオイルショックによる物価高騰のために、年度途中の12月に給食費が値上げされ、さらに翌年にも値上げとなったため、その時の値上げ分については、公費負担としたと書かれています。
どうしても必要ではあった値上げに対しても、行政は、細かく丁寧に対応をされていたことがわかります。
ですから、その後長い間、小学校低学年では、保護者負担のおおよそ半額を、中学校では保護者負担のおおよそ1/3を公費負担としてきていました。
しかし、平成25年に、公費負担は0となりました。この時の理由はなんでしょうか。
また、その後、7年間0であった公費負担が、令和2年には、200円出されるようになりました。この理由はなんでしょうか。
A : 平成25年は、区全体の施策の見直しの中での、公費負担のゼロであった。
令和2年は、給食費をあげずに抑えてきたが、献立が立ち行かなくなったので、公費からの200円を出すことになった。
その公費負担も、令和2年には200円、令和3年には150円、令和4年には100円と毎年減らされています。
子どもの貧困が取り沙汰されている昨今に、なぜ公費をまたも減らしていくのでしょうか。
子どもの中には、学校の給食で命を繋いでいる子がいます。その現実をどう見るのでしょうか。教育委員会の見解をお聞きします。
A:200円を一気に値上げすると負担感が大きいので、少しずつとした。
生活保護や、援助などがある。
生活保護、援助のぎりぎりのところにいる家庭も多くあります。子どもの貧困という現実から考えて、給食費への公費負担は、今後検討していく課題と思われます。
■121号【都立高校入試へのスピーキングテスト導入の延期及び再検討に関する陳情】‥‥‥導入の延期再検討を
陳情原文で指摘されている問題点について見ていきたいと思います。
まず一つが、
ESAT-Jは20点。これは1教科分とほぼ同じ配分点であり、英語の内申点と合わせると約43点となり、これは、国、社、数、理という他教科の約2倍に当たるということで、そのバランスについては、どのように考えるでしょうか。
A:内容は、都の教育委員会が考えている。 20点は、生徒の努力の点と考える。
中学現場の英語教師の声もつかんでいただきましたが、その声の中にも、「英語の配点が他教科と違って重くなることで、公平感が保たれないのでは」という声が出ています。
また、ESAT-Jの問題内容が、ベネッセによるGTEC と酷似しているという問題点が挙げられています。
いただいた資料では、ベネッセによる問題内容については、無断転用禁止のため、掲載できずとありました。
しかし、先ほどのご説明にもありましたように、実際には、ホームページや新聞記事のデジタル版などにおいて確認できます。そして、その内容についての酷似は明らかです。
酷似しているということは、ベネッセの試験を受けたかうけないかが、本試験に影響するということになるのではないでしょうか。
また、資料として出された中学現場の英語教員の声には保護者、生徒への不安の声にどう答えていけば良いかという戸惑いも書かれ、そこには積極的に進めたいというものは一つもありませんでした。
このような中で、このスピーキングテストを都立高校の入試において取り入れることについて、教育員会はどのようにお考えになっているのでしょうか。
陳情には、スピーキングテストの入試への導入の延期及び再検討を東京都教育委員会へ求めてほしいと書かれています。この声に、教育委員会はどのようにお答えになるでしょうか。
実際に、東京都教育委員会とはどのようなお話をされているのでしょうか。
また、実際に、東京都教育委員会の動きの変化はありますでしょうか。
A:これまで3年間かけて準備され、明記もされてきたので、特化した授業は必要ないとのこと。
また、初めてのことなので、やって見て、課題の検討をしていくと、東京都教育委員会は言っている。
教育長会の中で、江戸川区教育委員会の考えを、蓮沼教育長から話していただく。
教育長がお話しくださるとのことですので、現場の声をしっかりとお伝えくださるものと思います。
また、やってみて、課題があれば課題の検討をするということであるが、生徒にとっては、一生に一度のことです。
今のこの時期において、これだけたくさんの不安の声が出ているということから考えても、延期再検討が必要なのではないかと考えます。
不登校、自閉症、ディスレクシア、など、多様な特性を持つ子どもたち一人ひとりに向き合っているのが学校現場です。
スピーキングテストの導入は、そのような一人一人に対しても、向き合っているのでしょうか。
一部の生徒の力を伸ばすための施策ではないのでしょうか。現場の教職員から聞こえてくる声は、不安の声でしかありません。
このようなやり方に対しては、一刻も早く、延期をする必要があるのではないでしょうか。急がなければ、ならない案件と考えますので、結論を出す方向でお願いしたいと考えます。
■123号の2【食の安全を守るため、小学校や障がい児施設にて、ゲノム編集トマト苗を受け取らないことを求める陳情】‥‥‥‥‥ゲノム編集トマトを受け取らないで
いただいた資料によりますと、北海道における民間団体の調査では、ゲノム編集技術で開発したトマトの苗については、38自治体が「受け取らない」と答え、95自治体が情報不足などを理由に、「その他」としているとのことがわかりました。
実際に小学校に対する無償配布の計画については、プレスリリースその他で確認ができずとのことでした。
しかし、希望する学校には配布するということと、将来は希望教育機関を広く募集することも検討中とのことであることは、サナテックシード株式会社のホームページより明確になっています。
配布に対しては、受け取らないでほしいと陳情には書かれていますが、教育委員会としてはどのようにお考えになるでしょうか。お考えをお聞きし、終わりたいと思います。
A:安全性を確認しているトマトと考えている。しかし、学校では様々な考えの保護者がいると思うので、様々な意見を聞いて判断したい。
■127号【江戸川区立学校の新型コロナウイルス感染予防対策についての陳情】‥‥‥‥‥適切なマスクの着用を
小中学校のマスク着用時の決まりについては、本日の審査の初めの陳情、第118号の2の陳情でいただいた資料に、詳しく述べられています。
この中では、身体的距離2メートル以上を確保できて、会話をほとんど行わない場合には、着用の必要はないとしています。
また、身体的距離2メートル以上が確保できない場合でも、屋外であり、会話をほとんど行わない場合には、着用の必要はないとしています。
しかし、それ以外は、着用を推奨しています。
そうしますと、陳情の趣旨である適切なマスクの着用を促すということは、行われているのではないかと考えるところです。
ただ、実際は、子ども達は、くっついて遊んでいます。登下校時も、くっついて歩いています。
身体的距離2メートル以上を確保できる時はあるのかと疑問にも思います。
マスクをつける。マスクを外す。このことについて、現場でのお困りの声にはどのようなものがあるでしょうか。
A:つける習慣はできている。外すことについては、場面場面で、指導して行きたい。