会議 | 令和3年予算特別委員会(第8日)-03月10日-08号 |
---|---|
日付 | 令和3年3月10日(水) |
開会 | 午前10時00分 |
閉会 | 午前11時36分 |
場所 | 第1委員会室 |
案件 | 令和3年度予算審査(第8日) 総括意見 第2号議案に対する修正案(賛成2:反対17)否決 第2号議案(賛成17:反対2)可決 第3号議案(賛成17:反対2)可決 第4号議案(賛成17:反対2)可決 第5号議案(賛成17:反対2)可決 |
【総括意見発表】
◆間宮由美 委員 桜のつぼみがほころび始めています。しかし、その花の香りも空の青さにも気づかず日々に追われている区民がたくさんいます。新型コロナウイルス禍での初めての苦しみ、働きながらの子育ての苦しみ、障害があることでの苦しみ、どれも見過ごせません。ですから、予算は区民が前を向いて歩いていくためのものとなる必要がありました。
本会議で区長は述べられました。再度、リーマンショックのような経済危機がきても耐えられるよう、財政調整基金として400億の確保を意識してきた。そして、今まさにそれを活用するときであると。
組み立てられた予算は、継続事業はもちろん、新規・拡充88事業、廃止・縮小5事業、どれもが区民生活を守る視点と、さらに「世界を変えるSDGs」の視点が盛り込まれました。
課題は指摘をさせていただきながらも、全体としては全ての区民の幸せと社会的援助を保障するために、地方自治体の役割を果たそうとする予算であると判断いたしました。
よって、今回の予算案に対し、一般会計、特別会計ともに賛成をいたします。
特に検討を急いでいただきたいものについて、SDGsの視点で三つの角度から申し上げます。
一つ目は、「全ての人に健康と福祉を」「質の高い教育を」。
時間の延長、補食の再開がされたすくすく学童には、喜びの声が届いています。どの子の放課後も豊かになれるように、特別支援学級の子も希望する誰もが入れるような仕組みづくりと、放課後等デイサービスは空き状況の一覧に着手願います。
児童相談所が江戸川区に来た意義の大きさを実感します。虐待をなくす、そのための親支援プログラムがどの親にも届くよう、運用を願います。
がん検診については、年齢制限を外すこと、多臓器がんの主要マーカーなども取り入れ、一人でも多くの人に受けてもらえるように進めてください。早くに見つかれば生きることができます。
二つ目は、「働きがいも経済成長も」、「住み続けられるまちづくりを」。
多重下請構造の中にあっても賃金の下限額を下回ることはないと記される公契約条例がいよいよつくられます。どの契約においてもこの条例が適用されるよう、予定価格1億8,000万円と4,000万円の見直しを求めます。
区内飲食店への支援として、区職員約1万5,000人に呼びかけられたデリバリーやテイクアウトの積極的な利用の呼びかけ。飲食店のお弁当を売る場所を区役所内に設けることで、具体的な推進につなげてください。今すぐに必要な「防災・減災」のための施策は、危機管理室から次々と出されています。緊急告知受信機は売り出されます。災害ボランティア講座を受けた方と町会などとの組み合わせも始まります。それは、大事な「地区防災計画策定」への力に必ずなります。
また、災害を意識した公園造りも行われています。
そして、「スーパー堤防ではもう足りない」という元土木部長のご認識からも一段高いレベルでのまちづくりに進ませることが必要と考えます。
小岩での事業は、単に再開発ということにとどまらず、災害に強い街をつくるための非常に大事なプロジェクトと認識しました。小岩という「点」のスキームを江戸川区全体に「面」として広げ、災害に強い高台のある街をつくる、そのために活かしてください。
三つめは、「パートナーシップで目標を達成しよう」、区民の「参画」についてです。
「子どもの権利条例」は、子どもたち自身の参画でつくり上げるために、全ての小学校・中学校から意見をもらう努力をしてくださいました。条例ができてからもずっとその視点を大事に、生きた条例にしていってください。
様々な理由で傍聴に来られない方が議会の内容を知りたいと思うことは当然のことと考え、早くに会議録を作成できるよう検討していくと真摯にお答えいただきました。区民の参画意欲を大事にする視点です。
新庁舎については、学識経験者の方がおっしゃっていた「区民の参画をどうつくるか」ということについて、さらに踏み込んでください。
「制服リユース」と「子ども服☆ばとんたっち」は、まさにSDGsの「行動」です。SDGsは遠いことではない、身近にあり、この行動を通して自分も世界を変える一人になることができるということが分かるものです。その視点でどうぞ広げてください。
基本となる「防災行政無線」の聞こえの情報を区民から集めることも、区民の「参画」で防災の街を作り上げることになります。
今年の「成人式」については、新成人の皆さんからの声がたくさん届きました。企画段階から新成人の参画含め、今年の7,479名の新成人の皆さんの思いを「10年後の成人式」としてつないでください。
公共サインにSDGsをつけることは、知ってもらうための大切な取組みです。あと10年、急がないとなりません。公共サインほか、至るところでSDGsが見えるように要望します。
「国民健康保険特別会計」について申し上げます。
国保運営協議会の中で、区長からは、来年、国保の保険料を上げてよいのかどうかという壁にぶち当たりましたと逡巡されている思いが語られ、その上で値上げについては「42円」と抑えたことが伝えられました。しかし、均等割の7割5割2割軽減を受けている世帯が約46%もいることから考えても、国保世帯の厳しさは歴然としています。軽減含めた様々な措置は、これからも必要と考えます。
また、コロナ禍での傷病手当金は、給与所得者は対象ですが、個人事業主は対象ではありません。支給対象者を広げるよう、国への働きかけをしてくださっていますが、急ぐ必要な措置のため、自治体独自として事業主まで広げていただけるようご検討願います。
後期高齢者医療特別会計につきましては、コロナ禍で短期証を発行していないことから、今後とも発行しなくて済むのか、あるいは発行しないことで不都合が起こるのか、よく見極めていただくことが必要と思います。
修正案については、賛同できません。
コロナ禍での来年度予算、SDGs目標年である2030年までの計画、そして2100年までを見通したまちづくり、それら全てをすぐに始めなければなりません。誰もが春の温かさを感じることができるように、区民と行政をつなぎ、「住み続けることのできる」より豊かな自治体として発展していくために、区民の皆さんと一緒に尽力してまいります。
以上、総括意見といたします。
—