発達に心配のある子どもたちの親ごさんからの声、ずっと聞いてきました。
「就学に向けてのお話会」をしたり、
「アート」をしたり、
「空手教室」をしたり、
「障害者サッカー教室」を体験したり、
江東区の小さい時から療育に行くことのできる施設を見学に行ったり‥
だから、親ごさんたちの声、伝えてきました。
今回の決算特別委員会では、
「放課後デイサービス」を管轄する障害者福祉費と、
「学童クラブ・すくすくスクール」を管轄する教育費とで、
その連携について、お聞きし、意見を伝えました。
長いのですが、お時間あるときに、読んでみてください。
■【 障害者福祉費】■
《間宮由美》 放課後デイサービスについて、2点お聞きします。
1点目は、送迎バスの置き去りに関してです。
ここ数年、保育園幼稚園でのバス内への子どもの置き去りが社会問題となています。では、放課後デイサービスの場ではいかがでしょうか。
放デイにおける、送迎バスの決まり事、また、事業者への指導はどのようにされているでしょうか。
《障害者福祉課長》 令和2年度より、放課後デイサービスの指導検査を区で実施している。東京都で実施していた指導検査では、送迎に関する確認事項等は特にない。
区で実施するようになってからは、放課後デイの日中活動は、当然複数人で対応することになっているため、送迎についても複数人で対応するように伝えている。
静岡での事件を受けて9/14付けで国より「児童発達支援事業所等における車両による送迎にあたっての安全確認の徹底」という通知が出たので、送付している。
《間宮由美》 現場の話をお聞きしますと、1台のバスに7人から8人を送迎することもあり、しかし、おとなは運転手一人という場面が普通になっているという事業所もあります。また、多動な子が多くいるため、事故があってからでは大変だと心配をされている職員の方もいます。今後、区としても指導を強化していただきたいと考えます。
2点目は、放デイの不足をどう考えるかということについてです。
「発達障害の子を持つママたちの声は、悲痛です。
「放デイが空いていません。10箇所行きましたがどこも空いていません。泣きたくなります。」
「数十人待ちですと言われました。」
「障害を持つ子の親は働いてはいけないのでしょうか。」そして、実際に、放デイに入れなければ、仕事を辞めないとならないと言って、公務員をお辞めになったお母さんもいます。
また、支援学校でも学童に入ることができる区を見つけて、そちらの区へ引っ越した方もいます。
特に小学校入学前の親ごさんは必死です。区内に見つからなければ、「千葉にあります」とアナウンスを受けて、泣く泣く区外へ行く子たちもいます。川向こうということで災害時のことも懸念されています。
送迎があるとはいえ、大切な放課後に長時間かけて移動して通うことはいかがなものでしょうか。
資料をいただかなかったので口頭でお聞かせください。令和3年度、区外の放課後デイサービスに通っている児童の人数や割合をお聞かせください。
《障害者福祉課長》 令和3年度放課後デイの利用者数は1,526人。
そのうちの31.4%の587人が区外の事業所に通っている。
《間宮由美》 大変多い数だと思いますが、この状況について、区としては、どのように対応していこうとされていますでしょうか。
《障害者福祉課長》 江戸川区は、他の区に比べて放課後等デイサービスの数もの利用者も多く、近隣自治体の事業者を利用している人も多いことは、把握している。区に住んでいる方なら、区内の事業所を利用したいと思うのは気持ちは理解できる。
放課後デイサービスの事業が平成24年に始まって10年経ち、全国的には色々なノウハウも積み上げられて来ていると思っている。23区や近隣自治体の状況等を分析しながら、色々研究していきたい。
《間宮由美》 区内に暮らす子は、区内の放デイにという課題認識をお持ちでいただけること、また、区内の放デイの利用者が多いということについては、先ほど、受給者証の在り方というお話もありましたが、この点も含めて他自治体のあり方からも分析もしてくださるとのこと。感謝いたします。
そのことで、子どもたちにとっての最善の方向を見つけ出し、保護者の苦しみに寄り添うことにつながるのだと思います。
国が出している「放課後等デイサービスガイドライン」では、放デイを「共生社会の実現に向けた後方支援」と位置付けています。子どもの地域社会への参加、インクルージョンを進めるために、他の子どもも含めた集団の中での育ちをできるだけ保障する視点が求められるとして、学童クラブなどとの連携が求められています。
これからの放デイのあり方として、放デイにおける「発達支援」とともに、学童やすくすくとの連携を図りながら、今いる学校で放課後も過ごすことができる方向を充実させていってください。
最後になりますが、発達障害の子を持つお母さんが、がんとわかり、余命を告げられました。いつか本当に来てしまう自分がいなくなる時に、子どもたちをどうしたら良いのだろう。
それは、障がい児の親御さんであれば、誰もが切実に思っています。
放デイで、区外へ行かせることはどうなのだろうと思ってくださるなら、親亡き後の施設も、遠くの県ではなく、今、暮らしているこの江戸川区にこそ、どうぞ作っていただきたい、心から願うものです。
■【教育推進費】■
《間宮由美》発達障害の子の多くは、「放課後デイサービス」に通っています。しかし、区内の放デイが不足していて入れないために、令和3年度には、区外の放デイに通う子は、31.4%、587人もいました。
なぜ、放デイのことをお話ししたかと言いますと、障害を持つ子どもたちの放課後をどう考えるかということに、さらに踏み込んでいただきたいからです。
送迎があるとはいえ、大切な放課後に、長時間かけて区外の放デイまで移動しなければならない現実。自分の学校には、すくすくや学童があるのにもかかわらず、です。
国の「放課後等デイサービスガイドライン」では、放デイを「共生社会の実現に向けた後方支援」と位置付けました。そして、インクルージョンを進めるために、「他の子どもも含めた集団の中での育ちをできるだけ保障する視点が求められる」として、「学童クラブ」などとの連携を求めました。
そこで、お聞きをします。
学童保育・すくすくスクールにおける、配慮を要する児童は、令和3年度は、508人。20人以上の子が在籍する学校は3校でした。
今年9月には、574人となり、20人以上の子が在籍する学校も、8校となり、明らかに増えています。
増えていることは、決して悪いことではなく、むしろ、インクルージョンを進めていく、その力に、学童・すくすくがなってきていると考えられると思います。
教育委員会としては、この増加を、どのように見ておられるでしょうか。
さらに、放デイを後方支援として位置付け、学童やすくすくとの連携を図るということについては、どのようにお考えになっているでしょうか。
《教育推進課長》
《間宮由美》学童・すくすくと合わせて、放デイに通っている子は、つかんでいるだけでも200人くらいとお聞きしています。
わたしは、これからの障害児の放課後の在り方として、選び取ることができることが必要だと思っています。
専門的な発達支援が必要な子どもには、放デイを。
他の子どもも含めた集団での育ちを保障するためには、学童クラブやすくすくを。両方行っても、もちろん良い。
令和3年度、国で審議されていたガイドラインの精神をどのようにお考えになっているか、お聞かせください。
《教育推進課長》
《間宮由美》これからの学童やすくすくが、放デイにおける「発達支援」と連携を図りながら進んでいくことは、障害を持つ子にとっても、障害を持たない子にとっても、豊かな放課後を作ることにつながると思います。
「障害児の親は働いてはいけないの?」その声にも、「そんなことはない」しっかりとそう答えるためにも、よろしくお願いいたします。