委員会の日に向かう数日、渾身の力を使っています。
皆さんから出される陳情の審査があります。どれも大切な声です。
だから、1つ1つに意見を言うために、もう然と勉強をするのです。
12月2日の文教委員会。
▶︎新たに出された陳情
(新)■136号【江戸川河川敷サッカーグラウンド2面に関する陳情】
▶︎12/2に結論が出た陳情
(趣旨採択)■118号の2【区内の子どもが健全な集団生活を送れるよう求める陳情】‥‥‥‥‥‥マスク着用は自由選択に
(趣旨採択)■119号の2【子どもたちの未来を守る、給食への有機食材導入に関する陳情】‥‥‥‥有機農産物の食材導入を求める陳情
(趣旨採択)■123号の2【食の安全を守るため、小学校や障がい児施設にて、ゲノム編集トマト苗を受け取らないことを求める陳情】‥‥‥‥‥ゲノム編集トマトを受け取らないでという陳情
(趣旨採択)■127号【江戸川区立学校の新型コロナウイルス感染予防対策についての陳情】‥‥‥‥‥適切なマスクの着用を
▶︎審議中の陳情
(審議中)■120号【小中学校の給食の充実と保護者の負担軽減を求める陳情】‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥給食費の保護者軽減を求める陳情
(審議中)■133号【江戸川区立全小学校・中学校の給食費完全無償化に関する陳情】‥‥‥‥‥給食費完全無償化を
■136号【江戸川河川敷サッカーグラウンド2面に関する陳情】‥‥‥‥‥
切実な思いが伝わってくる内容です。まずは、実際のことを知る必要があります。
江戸川河川敷、サッカーグラウンドの利用のあり方、そして、申し込みのあり方、陳情で述べられている使用状況について、資料としていただきたいと考えます。
■118号の2【区内の子どもが健全な集団生活を送れるよう求める陳情】‥‥‥‥‥‥マスク着用は自由選択に
この陳情の趣旨は、4点ありました。
1点は、マスク着用は個人の意向を尊重してほしい。
2点は、マスク着用の有無での、いじめ偏見差別が起こらないよう指導の徹底をしてほしい。
3点は、マスクをしない代わりにワクチン接種や発言の制限などの強制をしないようにしてほしい。
この3点は、これまでの委員会での質疑の中で、一人ひとりの子どもが、マスクをつけることも、つけないことも、あるいはつけられないことも、尊重していくことのできるようにしようとご指導されていることをご答弁いただいて参りましたので、願意はすでに満たされていると考えます。
残るは、4点目です。昼食時の黙食の徹底についての見直しを求めています。ここについては、冒頭、教育委員会の考え方について、お聞きすることができました。
校長会などで現場の意見を聞いていただくということは、とても大事なことだと思います。文科省の通達の中でも、「感染状況も踏まえつつ、地域の実情に応じた取り組みをご検討いただくよう」にと書かれています。
さらに、「座席配置の工夫や適切な換気の確保などの措置を講じた上で、給食の時間において、会話を行うことも可能」とあります。
黙食のために、こどもたちの人間関係が作りづらくなってるという指摘もされているところです。
ともに歩まなくてはならないウイルスであれば、見直す時期に入ったのでは無いかと考えます。
週に1回からでも、あるいはパーティションを使ってでも、黙食を見直す方向に、進めていって良いのではないかと思います。
この陳情については、採択を求めるものであります。
しかし、皆さんのご意見が「趣旨採択」とのことですので、私も、「趣旨採択」に同意いたします。
■119号の2【子どもたちの未来を守る、給食への有機食材導入に関する陳情】‥‥‥‥有機農産物の食材導入を求める陳情
記書きの2には、「遺伝子組み換え、ゲノム編集された原材料及び、それらを飼料として生育した畜産物を使用しないことを明文化してください」、とあります。
別の陳情では、ゲノム編集されたトマトの苗を受け取らないでほしいという陳情が出されておりましたので、ゲノム編集の研究部署の方にお聞きしたところ、
ゲノム編集とは、狙ったところに変異を起こすものであり、元々そのものが持っている遺伝子配列を変えるということなので、これまでの長い時間かけて品種改良されてきたものが、今は、ピンポイントで、遺伝子配列を変えることができるようになったということ。それにより、例えば、より甘いトマトができるようになる、ということでした。
しかし、その方でさえも、
遺伝子組み換えということについては、よその生物の遺伝子を入れるということであり、例えば、青い薔薇はなかったけれども、青いすみれの遺伝子を入れることで、バラを青くすることができるようになるというように、よその配列を組み込んでいく仕組みであるということです。ですから、ゲノム編集の方でさえ、遺伝子組み換えについては、課題認識をお持ちでした。
私は、その両方とも、課題がまだあると思っております。
有機食材についても、世界に目を向けますと、フランスでは、エガリム法という、「フランス新農業・食品法」が、2018年に交付され、学校給食有機化に向けて、大きく動き出しています。
そのために、農薬削減と有機農業への転換に充当するために、毎年4億ユーロ、約520億円を出しているとのことです。
日本においても、2006年12月に「有機農業推進法」が制定され、その法律が成立した日、もうすぐきますが、12月8日が、「有機農業の日」となっています。
「2050年までに有機農業の面積を25%にする」という目標に向けて、令和4年度には、全国55市町村で、有機農業の拡大に向けた取り組みがされています。
学校給食の「米飯」を、100%有機米にするには、日本の水田の2%を有機にすれば良い、など、さまざまな角度からの計算も始まっています。
学校給食への有機農産物の提供をするには、区内農家さんとの連携が鍵となると思いますので、産業経済部との連携も、求めて参りました。
安全な食材を子どもたちにということは、至極当然のことであります。
世界の動きから考えても、日本の子どもたちの心と体の健全な発達を進める立場から考えても、この陳情の願意は、妥当なものと考え、採択を求めます。
が、しかし、 皆さんのご意見が「趣旨採択」とのことですので、私も、「趣旨採択」に同意いたします。
■123号の2【食の安全を守るため、小学校や障がい児施設にて、ゲノム編集トマト苗を受け取らないことを求める陳情】‥‥‥‥‥ゲノム編集トマトを受け取らないでという陳情
苗を配るとされているサナテックシードさんから、直接お話しをお伺いしたところ、
苗を送るのは、問い合わせがあったところであり、会社から営業活動はしていないし、勝手に送ることもしない、とのことであったことは、以前の委員会でお伝えした通りです。
さまざまな意見があるゲノム編集については、こちらから積極的にいただくことを働きかけることはないと、教育委員会としてのお考えも、この間の審議の中でご回答いただいたと考えます。
陳情の記書には、受け取らないということとともに、
無償配布への反対も求めています。その背景には、ゲノム編集食品や作物が、食べものとしての安全性や環境への影響が確認されていないからであると思われます。
現在は、理科の実験用に、ということでいただきたいという学校さんがあるようです。しかし、これが、家庭菜園などでもさらに栽培されていくことになれば、すでに、ゲノムであることすらもわからなくなってしまうのではないでしょうか。ですので、安全性が確認されるまで、今は、一旦、反対をするということは、願意妥当と考え、採択を求めます。
が、しかし、 皆さんのご意見が「趣旨採択」とのことですので、私も、「趣旨採択」に同意いたします。
■127号【江戸川区立学校の新型コロナウイルス感染予防対策についての陳情】‥‥‥‥‥適切なマスクの着用を
先日、文教委員会の有志の方々にお声かけをして「江戸川病院の院長先生」のお話を伺う勉強会を持ちました。
院長先生は、そもそも、医療用マスク以外の普通のマスクであれば、ウイルスを通してしまうということなど、様々な角度から研究されている方がいるということをお話しくださいました。
マスクについて、またコロナウイルスの感染のあり方については、最新の研究成果を、教育委員会から各学校へお知らせいただき、各学校では、子どもたちとともに学んでほしいことも、これまでも述べて参りました。教育委員会としても、そこを大切にしてくださっていることも、ご答弁いただいてきました。
医学会で言われていることとしては、
感染は、ウイルスの量と、それに暴露される時間によって決まる。
ですから、路上で人とすれ違うときの呼気暴露時間を仮に1秒とすると、飲食店で人と1時間同席した場合の呼気暴露時間は3600倍。
ですから、路上では、感染が成立せず、主に、狭い空間で感染が起こり、その一因として暴露時間があるということです。
ですから、狭い空間などにおいて、マスクは、他人に感染を広げないための効果はあるものの、防御する効果としては、ウイルスが、10%〜60%減少する程度であること。したがって、マスクを過度に信頼するのは危険であることも言われています。
未知のウイルスに対しても、研究はかなり進んできています。
陳情の願意は、
科学的見地に基づき、適切なマスクの着用を促すこと。配慮にも尽力していただきたいということ。
そして、感染を軽視することなく、科学的根拠のある感染対策の継続を求めています。
子どものことを考えたらとても大切なことと考えます。また、これらは、すでに、教育委員会として行ってきているものとも考えます。
ですので、願意妥当と考え、採択を求めます。
が、しかし、 皆さんのご意見が「趣旨採択」とのことですので、私も、「趣旨採択」に同意いたします。
■120号【小中学校の給食の充実と保護者の負担軽減を求める陳情】‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥給食費の保護者軽減を求める陳情
給食は食育であり、学校の中での、立派な授業であると考えられると思うということについて、お尋ねしたところ、教育委員会としても、「授業の中でも、食育として行っていくことは大いにあり得ること」とご回答をいただきました。
日本国憲法には、義務教育はこれを無償とするとあります。教育基本法では、授業料はこれを徴収しないと謳われています。
ですから、教育としての給食であると考えると、これを徴収しないと考える教育基本法の理念に違わないのではないかと考えます。
給食費については、無償化について求める陳情も出され、先の決算特別委員会では、自民党公明党さんからも、給食費無償化にむけていくことへの提案がされています。
子ども食堂が開始されて10年、全国6,000カ所に広がっていることからも見えるように、子どもの貧困状況が悪化をしている中での給食費無償化の提案と受け止めます。
この陳情の願意は、給食費については、無償化ではなく、「負担軽減」を求めています。無償化への道が模索され始めている時に、負担軽減は、至極当然と考え、採択を求める予定でした。しかし、本日、結論は出せないということのご意見がございましたので、さらに検討を重ねる必要があるとかんがえ、みなさんとともに、検討を重ねてまいりたいと思います。
■133号【江戸川区立全小学校・中学校の給食費完全無償化に関する陳情】‥‥‥‥‥給食費完全無償化を
給食は食育であり、学校の中での、立派な授業であると考えられると思うということについて、お尋ねしたところ、教育委員会としても、「授業の中でも、食育として行っていくことは大いにあり得ること」とご回答をいただきました。
日本国憲法には、義務教育はこれを無償とするとあり、教育基本法では、授業料はこれを徴収しないと謳われていること。
そこから考えても、教育としての給食については、給食費を徴収しないと考える教育基本法の理念に違わないのではないかということについては、この間述べてきた通りです。
学校給食費の無償化を実施している自治体は、ネット上で見るだけでも、84市町村となり、大阪市では、全小中学校の給食費無償化を2023年度以降も継続を表明されています。
23区でも、世田谷区が葛飾区に次いで、新たに加わる予定と聞いていますが、教育委員会としてつかんでおられることはありますでしょうか。
また、江戸川区教育委員会としては、今後、全体を見ながら検討ということを述べておられますが、どのような形になるでしょうか。
世田谷区さんとしては、無償化に向けての調整、準備を始めているとのことです。
今後、検討を重ねていきたいと考え、本日はこれで終わりにします。